(6)-番外編2 コンサルティング

This entry is part 18 of 24 in the series Sharing Context-Based Assessment Criteria
具体度(⇔抽象度)★★★★☆[4]
レイティング指向度(⇔改善指向度)★★★★☆[4]
コスパ☆☆☆☆☆[-5]

ASPICEのコンサルティング概要

ASPICE(Automotive SPICE)の実装において、コンサルティングを受けることは、企業がプロセス改善を効率的かつ効果的に行うための手段です。ASPICEは、自動車業界のソフトウェア開発プロセスの成熟度を評価し、改善するためのフレームワークであり、その実装には専門的な知識と経験が求められます。

コンサルティングサービスでは、ASPICEに精通した専門家が企業に対し、以下のような支援を提供します:

  • ギャップ分析: 現在のプロセスとASPICE標準とのギャップを特定し、改善のための具体的なアクションプランを提案。
  • トレーニングと教育: 組織内のメンバーに対してASPICEに関するトレーニングを行い、プロセス実装の理解を深める。
  • プロセス設計と実装支援: ASPICE標準に沿ったプロセスの設計や実装をサポートし、改善活動を支援。
  • アセスメント支援: 初期アセスメントやフォローアップアセスメントの準備、実施をサポート。

コンサルティングのメリット

  1. 専門的な知識と経験の活用:
    • ASPICEの専門家からの支援により、組織は短期間で効果的なプロセス改善を達成することができます。コンサルタントの経験と知識を活用することで、一般的な導入の失敗リスクを軽減できます。
  2. プロセスのスムーズな実装:
    • 専門家のガイドラインに従うことで、組織はプロセス実装の障害を早期に特定し、適切な対策を講じることができます。これにより、実装プロジェクトがスムーズに進行しやすくなります。
  3. トレーニングとスキル向上:
    • コンサルティングを通じて、組織内のメンバーがASPICEに関するスキルと知識を習得でき、今後の自主的なプロセス改善活動にも役立てることができます。
  4. カスタマイズされたソリューション:
    • コンサルタントは、各企業の特定のニーズや課題に応じたカスタマイズされたソリューションを提供するため、より効果的なプロセス改善が可能となります。

コンサルティングのデメリット

  1. 高コスト:
    • コンサルティングサービスは費用が高額になることが多く、企業にとって大きな負担となる可能性があります。また、長期にわたるコンサルティングが必要な場合、総コストがさらに増加する可能性があります。
  2. 依存リスク:
    • 外部のコンサルタントに依存しすぎると、社内のプロセス改善能力が育たないリスクがあります。結果として、コンサルタントの支援がなくなると、プロセス改善が停滞する可能性があります。
  3. 内部抵抗:
    • 組織内で外部からのコンサルティングに対する抵抗が生じることがあります。特に、従来の方法を変えることに対する抵抗や、外部の意見に対する反発がプロセス改善の妨げになることがあります。
  4. 一時的な効果:
    • コンサルティングによって導入されたプロセス改善が一時的なものであり、コンサルタントのサポートが終了すると元に戻ってしまうリスクがあります。このため、持続可能な改善を目指すためには、組織内部での文化や習慣の変革も必要です。

結論

ASPICEの実装においてコンサルティングを受けることは、専門的な知識を活用し、プロセスのスムーズな実装を可能にする有効な手段です。しかし、コスト面の課題や依存リスク、内部抵抗の可能性も存在します。コンサルティングを受ける際には、これらのメリットとデメリットを十分に検討し、組織にとって最適な支援を受けることが重要です。また、コンサルタントの支援を受けつつも、最終的には組織内部でプロセス改善の能力を育成することが持続可能な成功の鍵となります。

具体度(⇔抽象度)

具体度が「★★★★☆」と評価されていることは、コンサルティングサービスが非常に具体的かつ詳細なアドバイスやガイダンスを提供することを示しています。コンサルタントは、企業の現状や目標に応じてカスタマイズされたソリューションを提供し、具体的なアクションプランや実行手順を示してくれます。このため、コンサルティングサービスは、プロセスの実装や改善において実践的で適用しやすい内容を持っています。

プロセステンプレートやガイドラインを作ったりという、いわゆるギャップの埋め込みにコンサルを頼むのはしかたないのかもしれませんが、結局アセッサーが何を言ってるか理解できれば自分たちでも十分やれるわけで、今回のcontext based criteriaとかBiz3のガイドブックとか使えばいいと思うんですけどね。AIによるGPTコンサルみたいのも有効ですよ(宣伝)。

レイティング指向度(⇔改善指向度)

レイティング指向度が「★★★★☆」と評価されていることは、コンサルティングサービスが評価(レイティング)と改善の両方に強く焦点を当てていることを示しています。コンサルタントは、プロセスの成熟度や品質を評価するだけでなく、その評価結果に基づいて具体的な改善策を提案します。評価を行い、その結果を基にプロセスを改善するという一連の流れが、コンサルティングサービスの主要な特徴となっています。

時に、いわゆる王道の「改善」を強く推してくるコンサルタントも少なくありません。レイティングは手段であって、これを目的にするのは邪道だというのがプロセス改善本来の目的でもあるし、そう主張した方がかっこいいからです。だけども、企業のニーズは前述するように、まずレイティング改善です。目標とするレイティングが達成されて、はじめて改善を中心に置く余裕が出てきます。

それから、コンサルタントには責任がありません。おっさんも多いです。ゆえに古い価値観で滔々と訓たれされることが多いことにも気を付けましょう。(自戒を込めてw)

コスパ

コストパフォーマンス(コスパ)が「☆☆☆☆☆ [-5]」と評価されていることは、コンサルティングサービスが非常に高コストであり、その費用対効果が低いと感じられていることを示しています。特に、ASPICEに関するコンサルティングは専門的なサービスであり、費用が高額になることが一般的です。そのため、コンサルティングを受けることで得られる効果や利益が、投入されるコストに見合わないと評価される場合があります。

どこもそうですが、特に海外のコンサルはその価格(当社が100回くらい気絶できるほどの)も、英語で適当にごまかされることも含めて、覚悟して使う必要があります。だけど、高いコンサルほど説得力が出るというパラドックスもあります。わかりにくいことを言うほど有難がられたり。経営層は値段の高い看板を選びがちですよね。

で、現場は予算超過でギューギューやられますねそうですよ。それならその費用でツールをそろえた方がどんだけ有効かって私は思います。AIによるGPTコンサルとか(重ねて宣伝)。

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