- ASPICEアセスメントを改善する施策をじっくり考えてアンケートの感触もいい案が出たんだけど運営になんか伝わらんかった件
- (1)ASPICEの目的はなんですか?
- (2)ASPICEアセスメントに関する観察と経験
- (3)アンケートデータ(Fact)
- (4)プロジェクトコンテキストについて
- (5)クライテリアクライテリアクライテリア!(Fact)
- 【コラム】ASPICEアセスメントの課題整理: 定性的判断基準、透明性、効率性、コスト、反論のしにくさ
- (6)これまでのアプローチとマッピング
- (6)-①ASPICE Model
- (6)-②VDA Guidline
- (6)-③KGAS
- (6)-④Biz3 Guidbook
- (6)-⑤Lean Enablers for Automotive SPICE
- (6)-⑥Interview script
- (6)-⑦Rating sheet excel
- (6)-⑦-1 YABAIBP
- (6)-番外編1:アセッサー固定戦略
- (6)-番外編2 コンサルティング
- (6)-番外編3 インタビュートレーニング(プレアセスメント)
- (7) Sharing Context-Based Assessment Criteriaの実装手段検討
- (8) Sharing Context-Based Assessment Criteriaの概要
- (9) クライテリア生成のためのAIツールの試行と評価
- (10) 利点と欠点
- 謝辞
アセッサー固定戦略とは、ASPICEのアセスメントプロセスにおいて、アセスメントを実施するアセッサー(評価者)を意図的に固定することで、評価の一貫性を保ち、レイティングの改善を図る戦略です。この戦略では、最初のアセスメントでアセッサーの評定特性を把握し、その後のアセスメントでその特性に合わせた対応を行うことで、評価プロセスを最適化します。アセッサーが変わらないことで、評価基準や視点のブレを最小限に抑え、組織全体の評価結果の安定性と信頼性を高めることが目的です。
メリット
- 評価の一貫性と信頼性の向上:
- 同じアセッサーが複数回のアセスメントを担当することで、評価基準や視点の統一が図られ、評価結果の一貫性が保たれます。これにより、レイティングの改善に向けた取り組みが効果的に進められます。
- アセッサーの特性に合わせた対策の実施:
- アセッサーの興味や進め方、評定の傾向を分析することで、その特性に合わせた対策を講じることができます。これにより、組織はアセッサーの期待に応じた改善活動を行い、評価結果をよりポジティブなものに導くことが可能になります。
- 組織内の準備が容易になる:
- アセッサーが固定されることで、組織は評価基準や手順を予測しやすくなり、アセスメントに向けた準備が容易になります。これにより、評価プロセスの効率化が図れます。
デメリット
- 視点の固定化によるリスク:
- 同じアセッサーが継続して担当することで、評価視点が固定化し、新たな観点からの評価や斬新な改善点が見過ごされるリスクがあります。新しいアセッサーの導入によって得られる多様な視点が失われる可能性があります。
- アセッサー依存による評価の偏り:
- アセッサーの個人的な評価基準や傾向に組織が過度に依存すると、評価結果がそのアセッサーの視点に偏りすぎるリスクがあります。これにより、組織全体の真のプロセス改善ニーズが適切に反映されない可能性があります。
- アセッサーの交代によるリスク:
- 長期間にわたり同じアセッサーを固定する戦略を取ると、アセッサーの交代が必要になった際に、新しいアセッサーへの適応が難しくなる可能性があります。これにより、評価プロセスに混乱が生じるリスクがあります。
結論
アセッサー固定戦略は、評価の一貫性と信頼性を高めるための有効なアプローチであり、アセッサーの特性に合わせた対策を講じることでレイティングの改善を促進することができます。しかし、視点の固定化や評価の偏りといったリスクも伴うため、適用する際には慎重な判断が必要です。戦略を実施する際には、定期的にアセッサーの視点や評価基準の見直しを行い、多様な視点を取り入れる工夫が求められます。