- ASPICEアセスメントを改善する施策をじっくり考えてアンケートの感触もいい案が出たんだけど運営になんか伝わらんかった件
- (1)ASPICEの目的はなんですか?
- (2)ASPICEアセスメントに関する観察と経験
- (3)アンケートデータ(Fact)
- (4)プロジェクトコンテキストについて
- (5)クライテリアクライテリアクライテリア!(Fact)
- 【コラム】ASPICEアセスメントの課題整理: 定性的判断基準、透明性、効率性、コスト、反論のしにくさ
- (6)これまでのアプローチとマッピング
- (6)-①ASPICE Model
- (6)-②VDA Guidline
- (6)-③KGAS
- (6)-④Biz3 Guidbook
- (6)-⑤Lean Enablers for Automotive SPICE
- (6)-⑥Interview script
- (6)-⑦Rating sheet excel
- (6)-⑦-1 YABAIBP
- (6)-番外編1:アセッサー固定戦略
- (6)-番外編2 コンサルティング
- (6)-番外編3 インタビュートレーニング(プレアセスメント)
- (7) Sharing Context-Based Assessment Criteriaの実装手段検討
- (8) Sharing Context-Based Assessment Criteriaの概要
- (9) クライテリア生成のためのAIツールの試行と評価
- (10) 利点と欠点
- 謝辞
具体度(⇔抽象度) | ★★★☆☆[3] |
レイティング指向度(⇔改善指向度) | ★★★★☆[4] |
コスパ | ★★★★★[5] |
KGASの意図は、Volkswagenグループにおける車両や車両関連ソフトウェアの開発プロセスを、最先端の技術基準に従って実施し、ソフトウェア品質を確保することです。具体的には、Automotive SPICEプロセスモデルを基盤とし、それをさらに具体化するためのプロセス要件を規定することで、安定したプロセスによる高品質なソフトウェア開発を目指しています。このフレームワークは、ソフトウェア開発に関与するすべてのプロジェクトメンバーを対象にしており、品質保証活動の評価基準やその結果の処理方法も含まれています。
具体度(⇔抽象度)
具体度が「★★★☆☆」と評価されていることは、KGASが適度な具体性を持っていることを示しています。これは、ガイドラインが抽象的すぎず、ある程度の具体的な指示や要件を提供していることを意味します。評価が3であることから、KGASは必要な詳細を提供しつつ、組織やプロジェクトに応じた適用の柔軟性も残していると考えられます。つまり、開発プロジェクトが独自の文脈や要件に合わせてガイドラインを適用できるようなバランスが取れていることを示しています。
KGASの要求項目の粒度はさまざまなので、細かいものは5と判断してもよいと思います。結局、共通化するための表現の一般化は避けられないので、3でよさそうです。
レイティング指向度(⇔改善指向度)
レイティング指向度が「★★★★☆」であることは、KGASがプロセス評価(レイティング)に強く焦点を当てていることを示しています。この評価が4であることから、KGASは主にプロセスやプロジェクトの成熟度を評価するための指針や基準を提供していることがわかりますが、同時にプロセス改善にも一定の配慮がされていることを意味します。つまり、評価活動が中心ではあるものの、それに基づく改善活動も推進されるよう設計されています。
なにより、OEMのアセッサーは「KGASをチェックリストにしている」節があります。OEMアセスメントではKGAS項目に関する指摘がとても多く出てきます。「OEMアセスメント=KGAS監査」のような使い方です。よって、レイティングにおいては非常に重要なアイテムです。
実際にチェックリストとして使われているという意味では、今回目指すSharing Context-Based Assessment Criteriaと用途的には近いですね。
コスパ
コストパフォーマンス(コスパ)は「★★★★★」と評価されていることは、KGASが提供する価値に対して非常に高いコストパフォーマンスを発揮することを意味しています。
ASPICEと同じく公開されています。PDFで、ちょっとデータ化にてこずりますが、それでも電子化されている分だけ全然ましです。
注意:KGASの2次利用には文書による許可が必要です。利用目的などを伝えると、割と簡単にOKしてもらえるようですので、皆さんもVWに確認してみてください。
一方、VDA-QMCはその点、ダメですね。問い合わせにまったく反応がありません。(VDAガイドラインの2次利用に関して)これはまた別の記事に書くかもしれません。